手足の骨折・捻挫
骨折・捻挫のリハビリの重要性
手足の骨折や捻挫は、交通事故やスポーツ活動中に発生しやすいケガです。多くの人が「時間が経てば治る」と思いがちですが、適切なリハビリを行わなければ、関節の可動域制限や筋力低下、痛みの慢性化につながることがあります。
特に、骨折後の固定期間が終わった後や捻挫の急性期を過ぎた後のケアは、回復の質を大きく左右します。本記事では、手足の骨折・捻挫のリハビリ方法について詳しく解説し、早期回復を目指すためのポイントを紹介します。

骨折と捻挫の違いと基本的な症状
骨折とは
骨折とは、外部からの強い衝撃や過度な負荷により、骨が部分的または完全に折れてしまう状態を指します。骨折の種類には以下のようなものがあります。
- 単純骨折:皮膚の外に骨が露出していない骨折
- 開放骨折:骨が皮膚を突き破って外部に露出する骨折
- 疲労骨折:長期間にわたる小さな負荷の蓄積による骨折
主な症状
- 強い痛みと腫れ
- 骨の変形や異常な可動
- 動かしたときの激痛
- 内出血による皮膚の変色

捻挫とは
捻挫は、関節に過度な力が加わることで靭帯が損傷するケガです。主に足首や手首、指の関節で発生しやすく、程度によって軽度から重度まで分かれます。
主な症状
- 関節周囲の腫れと内出血
- 動かした際の痛み
- 関節の不安定感
- 熱感や赤み

急性期(受傷直後)の対応方法
骨折・捻挫のリハビリをスムーズに進めるためには、まず適切な初期対応が必要です。受傷直後の処置が遅れると、回復が遅くなったり、後遺症が残るリスクが高まります。
RICE処置の重要性
捻挫や軽度の骨折では、受傷直後にPRICES処置を行うことが推奨されます。
P(Protection:保護) → 患部をサポーターや包帯で固定し、悪化を防ぐ
R(Rest:安静) → 負担をかけず、痛みが悪化しないようにする
I(Ice:冷却) → 氷や冷却パックで腫れと炎症を抑える(20分間を目安)
C(Compression:圧迫) → 軽く包帯やテーピングで圧迫し、腫れを軽減
E(Elevation:挙上) → 患部を心臓より高い位置に保ち、血流を調整
S(Stabilization:安定化) → ギプスや副木で動きを制限し、治癒を促進
骨折が疑われる場合は、無理に動かさず固定し、早急に医療機関を受診することが大切です。

骨折・捻挫後のリハビリの進め方
リハビリの目的は、痛みの軽減、関節の可動域改善、筋力回復、日常生活への早期復帰です。段階ごとに適切なケアを行うことが重要です。
固定期間中のリハビリ
骨折の治療では、ギプスやシーネでの固定が必要になります。この期間にできることとして、以下の点が挙げられます。
- 非荷重運動:健康な手足を動かし、血流を促進する
- 固定部分以外の関節の運動:例えば足の骨折の場合、股関節や膝を動かすことで筋力低下を防ぐ
捻挫の場合は、痛みが軽減するまで無理に動かさず、安静を保つことが大切です。
固定解除後のリハビリ
骨がある程度癒合し、固定が外れた後は、可動域の回復と筋力強化を目的としたリハビリを開始します。
- 関節可動域訓練:軽いストレッチやマッサージで硬くなった関節をほぐす
- 筋力トレーニング:徐々に負荷をかけながら、筋肉を鍛える
- バランストレーニング:捻挫後は、バランス感覚を取り戻すための運動も重要

自宅でできるリハビリと予防策
自宅でできる簡単なリハビリ
- 足首の捻挫:座った状態で足首を回すストレッチ
- 手首の骨折後:ボールを握る運動で握力を回復させる
- 膝の捻挫:タオルを膝の下に置き、ゆっくり押しつぶす運動
骨折・捻挫を防ぐためのポイント
- 運動前のストレッチをしっかり行う
- 体のバランスを整えるための筋力トレーニング
- 靴のフィット感を見直し、安定性のあるものを選ぶ
まとめ:適切なリハビリで早期回復を目指す
手足の骨折や捻挫は、適切なリハビリを行うことで、後遺症を残さずスムーズに回復できます。初期対応を適切に行い、専門家の指導のもとで段階的なリハビリを実施することが大切です。
当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた施術とリハビリプランを提供しております。手足のケガでお悩みの方は、ぜひご相談ください。





