交通事故治療の保険と慰謝料
交通事故後の治療とは?
交通事故に遭った直後は、目立った外傷がなくても体に大きなダメージを受けていることが少なくありません。特に、むち打ち症や打撲、捻挫などは事故直後には症状が軽くても、時間が経つにつれて悪化するケースが多いです。
交通事故後の治療を適切に行わないと、痛みが慢性化し、長期的な不調に悩まされることもあります。そのため、事故後は整骨院や病院でしっかりと検査を受け、治療を開始することが重要です。
交通事故治療で適用される保険の種類
交通事故の治療に関しては、以下の保険が適用されることが一般的です。
自賠責保険(強制保険)
日本で車を運転する場合、加入が義務付けられている自賠責保険は、交通事故の被害者を救済するための基本的な保険です。治療費、通院費、休業補償などが一定額まで補償されます。
- 治療費:診察、施術、投薬、入院費用など
- 通院費:病院や整骨院へ通うための交通費
- 休業補償:仕事を休まなければならない場合の日額(5,700円〜最大19,000円程度)

任意保険
自賠責保険で補償しきれない部分をカバーするのが任意保険です。加害者が加入している場合、自賠責保険の補償限度額(120万円)を超えた場合に適用されます。
- 対人賠償:被害者の治療費や慰謝料を補償
- 対物賠償:車両の修理費や損害賠償金を補償
- 人身傷害補償:過失割合に関係なく自身の治療費をカバー
労災保険
仕事中の事故や通勤中の事故であれば、労災保険の適用が可能です。会社に報告し、労災指定病院や整骨院で治療を受けることができます。
交通事故治療の流れ
1. 事故直後の対応
交通事故に遭った場合、まずは警察を呼び、事故の状況を正確に記録してもらうことが大切です。その後、できるだけ早く医療機関を受診し、診断書を取得しましょう。

2. 保険会社とのやり取り
整骨院での治療は自賠責保険の適用が可能ですが、治療開始前に保険会社へ連絡し、担当者に整骨院での施術を受けることを伝えてください。
※保険会社への連絡をせずに整骨院へ来院された場合、すぐに自賠責保険の使用が適用にならないケースが多々ありますのでご注意ください。
3. 整骨院での治療開始
整骨院では、以下のような治療を行います。
- 電気療法:炎症を抑え、血流を改善
- 手技療法(マッサージ・整体):筋肉の緊張をほぐし、可動域を回復
- 温熱療法・冷却療法:痛みの軽減と治癒の促進
- リハビリ:筋力強化と再発予防のための運動療法

交通事故の慰謝料について
慰謝料の計算方法
交通事故の被害者が受け取る慰謝料には、以下の3種類があります。
- 入通院慰謝料:通院日数や治療期間に応じて支払われる
- 後遺障害慰謝料:後遺障害が認定された場合に支払われる
- 死亡慰謝料:事故で亡くなった際に遺族に支払われる
入通院慰謝料の計算例
交通事故治療で整骨院へ通院する場合は入通院慰謝料が支払われますので、実際どのように計算されているかを解説します。
- ① 実際の通院日数 × 2
- ② 治療期間(日数)
上記の少ない方 × 4,300円程度(自賠責基準)が慰謝料として支払われます。
例1)3月に15回通院した場合
①通院日数16日×2=32 ②治療期間=31
②の方が少なくなるので、約4,300円×31=133,300円が慰謝料となります。
例2)3月に14回通院した場合
①通院日数14日×2=28 ②治療期間=31
①の方が少なくなるので、約4,300円×28=120,400円が慰謝料となります。
※このように治療期間が31日の月だと15日以下の通院日数では減額となりますので、ご留意ください。
後遺障害慰謝料
等級によって異なりますが、14級で32万円、12級で94万円など、等級が上がるほど高額になります。
交通事故治療で注意すべきポイント
症状固定前に示談しない
症状固定とは、これ以上の回復が見込めない状態のことを指します。示談を急ぐと、後から痛みが再発しても補償を受けられなくなる可能性があるため、しっかりと治療を継続することが大切です。
整骨院の通院頻度を守る
自賠責保険の慰謝料は通院日数によって決まるため、必要な治療をしっかり受け、適切な頻度で通院することが重要です。

保険会社とのやり取りを整骨院と相談する
保険会社から治療打ち切りの連絡が来ることもありますが、適切な治療が終わる前に中断しないよう、整骨院と相談しながら進めることをおすすめします。
まとめ
交通事故の治療は、早期対応が非常に重要です。保険を活用しながら適切な施術を受け、後遺症を残さないようにしましょう。また、慰謝料や補償についても正しく理解し、納得のいく補償を受けられるようにすることが大切です。
当院では、交通事故治療に関する相談を無料で受け付けております。まずはお気軽にお問い合わせください!





